オリバーゴールドスミス CONSUL-S と バットマンビギンズ(3部作)の接点
僕が持っているもので、贅沢なものと言えるのは、冬場に着る仕事用のコートと掛けているメガネくらいだ。
あまり好きじゃないけど、僕の話を少ししよう。メガネはオリバーゴールドスミスのCONSUL-Sだ。そして、僕の子どものころのヒーローはなんとかレンジャーでも3分が活動限界の巨人でもなかった。
ヒーローはバットマン
僕には小学校から帰って30分、唯一と言って良いくらいに許されたテレビを見る時間があった。
ほかにもサンダーバードとかは超見たかったけど、残業を全くしない定時上がりの鬼の父によってチャンネル権は見事に掌握されている時間だったので見れたことはほとんどない。サンダーバード2号の丸っこいフォルムと困った時に秘密アイテムを届ける何でも屋さん的なポジが大好きだった。
それだけサンダーバードに夢中でも、バットマンは僕のヒーローだった。
黒くてかっこよくてサーチライトで呼ばれれば颯爽と駆けつけ、いろいろな道具を使って事件を解決、例えピンチになっても立ち向かう。おまけにプライベートは超エリートというマッチョな設定にたちまち僕はやられた。
アルフレッドという縁の下の力持ち
そんなマッチョなヒーローバットマンが唯一頼る執事、アルフレッド。
アルフレッドは、理知的で、ちょっと皮肉が利いていて、すました口調ながらも主人への心配りを瞳で語る、奥の深い執事です。*1
そんなアルフレッドをバットマンビギンズから始まる三部作で演じたのはマイケル・ケイン。マイケル・ガフのアルフレッドとは異なる、父のような距離感だ。その存在感は主演のクリスチャンベールを食うほどで、画面に佇む雰囲気は執事離れしている。
ブルース「見捨てないのか?( Haven't given up on me yet?)」
アルフレッド「もちろん( Never.)」
ある意味で出すぎた執事、アルフレッドの言ったこの一言をブルースが心の支えにしたのは想像に難くない。
さて、そんなアルフレッドを演じたマイケル・ケインは映画ファンやメガネファンの中では、イギリスを代表するスパイ映画、「ミニミニ大作戦(The Italian job)」と「国際諜報員ハリー・パーマー」で007とは真逆な暗くて、地味なスパイを演じたことでも有名だ。
俳優 マイケル・ケイン。彼とイギリスを代表するブランド OLIVER GOLDSMITH との関係 | アイウエアショップ・blinc|ブリンク 公式サイト
彼はプライベートでも、オリバーゴールドスミスのメガネCONSUL-Sを愛用していたことで有名のようで、
僕としては何も知らずに手に入れたメガネが、僕の大好きなものとつながっていたことを知ると、いっそう大切に思えてしょうがなくなった。
僕にとってのヒーローが頼りにしていた人、その人との共通点であるこのメガネはあの番組を見ていたときのドキドキした気持ち、キラキラした感覚を思い出させてくれる大切な接点だ。
マイケル・ケインが執事アルフレッドを演じたバットマン三部作
この三部作はメカニックの随所にリアリティーがちらつく作品たちだ。
歴代バットマン作品にはない無骨なタンブラー(歴代作品で言う所のバットモービル)からは歴代作品のスマートでマッチョな正義のヒーローだったバットマンから、ツールを駆使して戦う生身の人間を感じさせ、とても人間くさいバットマンに見せることに成功した。
人間くさい、という意味でリアルな映画だからこそ、執事のアルフレッドとのやりとりがとてもいい雰囲気を醸す作品たちだ。
執事のアルフレッドと仮面を作っていく過程はなんとも言えない。
宿敵ジョーカーを演じたのは「Dr.パルナサスの鏡 (字幕版)」が遺作になったヒース・レジャー。彼の演じた狂気の犯罪者ジョーカーは鳥肌必至で、思わず小さいころアニメで観た不気味さを重ねてしまった。
壮大な爆破から始まる悲劇、最強の敵に破れたバットマンの再起を描いた作品。