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この100年の最大の発明がコンテナ、ならこの1,000年間で最も偉大な発明の物語を教える!

はてなブックマークでこの記事がとっても話題になっている。

wivern.exblog.jp

 

世界共通規格、という人類が見た夢

共通規格というのはつねに人類の夢であると僕は思っている。世界中どこにいっても同じものが同じように、扱われるというのはものに限らず。素晴らしいことだ。

海でも、宇宙でも書けるボールペン。

世界中の規格が統一されていれば海外旅行の度に変換プラグがどの機種かを機にする必要もなかっただろう。

  

 

いや、もっと言うならば世界共通の言語があったら、どんな素晴らしい発明が生まれていたのだろう。その空想は、夢は人の見る最もスケールの大きな夢のひとつでもあると思う。そして、その空想を、妄想を形にしている物語もある。 

 

世界共通の言語が産み出した巨大な塔

バベルの塔は聖書の中にある神と人間の逸話のひとつだ。まだ世界がひとつの言語で繋がっていた時代に神の座にまで届かんとする塔を人類は作り上げ、これこそ人の手のなせる技と自分たちを大いに褒めちぎり、神への感謝の念を忘れたので、神は怒り、人類の話す言葉を打ち砕いてバラバラにしたというお話だ。

 

sign.jp

 

「この1,000年間で最高の発明」という仕事をもらった男、ヴィルトルトリプチンスキの記録

あらすじ

自らの手で家を建てた経験もある著者ヴィトルト・リプチンスキは、「この千年で最高の道具(工具)」というテーマのコラムの依頼を受ける。著者は、工具箱を漁り錐・のこぎり・釘・ものさし等を引っ張り出すが、発明が古過ぎたり特化しすぎたりで、どうもしっくりこない。

が、妻の 「ねじ回しはいつだって何かに必要なのよ」というひと言から 著者はねじとねじ回しのルーツを辿って図書館を廻り博物館を巡礼し、ねじとねじ回しの起源に迫り、その普及と発展の歴史を辿っていく。果たして最古のねじは…

出典:http://chikuwablog.cocolog-nifty.com/blog/2010/08/post-1e34.html

 

 なにかを作るとき、必ず必要になるのは楔やねじだ。

軽妙なコラムの形式を取りつつ「ねじ」のルーツに直線的なアプローチをするのではなく、銃や甲冑、フォード、キャデラックとあちこちとねじがありそうなものの歴史から、工具の意味と発展の歴史を紐解いていく。技術と技術史の面白さが凝縮されている。

最終章はねじを追っていく筆者が、ねじと共通項を持つとある装置を発見する。その瞬間はトリハダもの。天才の存在を感じさせられる。

 

ねじとねじ回し この千年で最高の発明をめぐる物語 (ハヤカワ文庫NF)

ねじとねじ回し この千年で最高の発明をめぐる物語 (ハヤカワ文庫NF)

 

 

このねじの開発と発展の歴史をギリシャまでさかのぼって紐解くコラムは技術史という文系の人間に立ちはだかる大いなる壁を手短に、読みやすくまとめた本であり、身近にあるものの歴史の再発見と驚きに満ちている。

連載コラムならではの小気味良いテンポで進むこの本は少ないページでいくつも発見がある良書。

 

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