ミニマリズムは持たざる者の逆襲か
カバンひとつの破壊力
ミニマリズムの凄さは、「究極、かばんひとつでこと足りるのだ」というひとつ間違ってしまうと負け犬の遠吠え感がにじみ出てしまう部分にある。しかし、満たされているし、充実している、という不可思議感が人々の関心を煽ったのは間違いない。従来の、ものが多い=豊かさの図式から外れているからだ。
いわゆるバックパッカーは、自分探し系の代表とも言われ、サラリーマン界隈では揶揄されていたりもしていた。働かない金持ちの道楽だとか、モラトリアムの外こもりだとか、とにかく、社会に参加しないものたちの代名詞として、めちゃくちゃ言われていた。恐らくは、若いくせに人生リタイヤ組のタイとかそういうところで余生を過ごしたい人たちと、(くせに、というところに半分くらい、やっかみが混じっている)行動が酷似していたからだと思っている。
持たざる成功者の発見
しかし、時代は大きく舵を切る。持たざる者は最良の選択である、という成功者のスピーチ動画がアメリカで配信されたことに起因する。この動画はYouTubeにアップされ、現在150万回超の再生数に至っている。
人生の成功者ともいうべき若き成功者が、自ら進んで持たざる者になり、その選択が最良の選択だった、と語るこの衝撃的な動画は本人たちのサイトへのアクセスとともに、多くの人たちにミニマリスト、という考えを持つ人がいることを知らしめた大きなきっかけとも言える。
そして、それ以降たくさんのミニマリストを自称・他称する人が現れる。
ミニマリズムはビジネスになった
持たない暮らしはビジネスになった。跳梁跋扈するビジネスの世界に、新しい金字塔が建てられた。ミニマリストの中にはスティーブ・ジョブズ等、故人の名前(もちろん成功者)まで入り、市場が創造された。
持たない者(言い換えれば、心の豊かさを手にいれた成功者)になるためのハウツーを布教するビジネス。発信・配信、アクセス・収入の開示、出版、出版物レビュー(以下、ループ)これらはすべて驚くほど絶妙なタイミングで仕掛けられ、一大ブームとなった。
ノマドワーカーのゆるやか且つたしかな衰退(背景)
ノマドワーカーという単語を覚えているだろうか、決まったオフィスをもたないフリーランスで仕事をする人たちの呼称のひとつでもある。ノマドワーカー、このブームは下火になっていた。
ノマドワーカーのジャンヌダルクとも言える女性のメディア露出の停滞。それによって、持たざるものたちは指針を見失いつつもあったことも手伝った。
これからのミニマリズム
これからは収納術やインテリアにカテゴライズすべきか悩む代物になるだろう。ミニマリズムでの成功者は、おそらく、もう出てこないからだ。
第一人者が一人生まれた時点であとはどれだけ無駄がなく、スタイリッシュな生活者か、そういう部分に注目するようになり、ファッションとして消費されていく。
ミニマリズムで成功した!という人が出てきても、そういう取り扱いはされなくなる。第一人者とされる人が決まった時点で、もうそれ以降に出てくる人たちは(明確な成功者としての実績がない限り)ミニマリストとしてではなく、(目新しく、キャラ被りがないように)スタイリッシュな人、として取り上げられていくからだ。
今回の記事はいろいろ断定してみた。説得力でるらしいから。あった?笑
断言する
ここからはテクニックに過ぎないので参考程度に。
誰かを説得する文章を書きたければ、断言するようにしよう。どんなテーマであれ、読者は何らかの答えを探している。世の中に”絶対”がないと分かっているからこそ、正解らしく見えるものを好むのだ。「多分こうじゃないか」と思うことも言い切ってみよう。
参考リンク
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